【特別取材】大阪市立中央図書館に行ってきました (後編)

(前編からの引き続き。図書館インタビューです。)

よく貸し出される人気の絵本を教えて下さい。

統計の数字では絵本のベスト10は出てこないので、出せないんです。

しかし、人気がある絵本ということなら、「OneBook One OSAKA」という2年に1回好きな絵本を選ぶ企画があります。

大阪市立図書館も加わっており投票は今年で6回目になります。すこし宣伝になりますが(笑)

↓「One Book One OSAKA」について

http://www.oml.city.osaka.lg.jp/?page_id=978

みんなで投票するんですか?

そうです。

(用紙をみせてもらう)この裏が投票用紙になっています。

この用紙に23冊の絵本が載っていて、自分がこれと思う好きな絵本を選んでいただくようになっています。

人気のある絵本を載せているので、「これ大好き」っていうのがあれば番号を選んでください。

エントリーされた23冊の中に自分の大好きな絵本が載っていないときには、好きな絵本のタイトルを書いて頂けるようになっています。

今、ちょうど6回目の投票が12月28日締切になります(この取材は、昨年の年末に行いました)。

(過去の入賞リストを見ながら)たぶんご覧になって、これ知ってるっていう絵本もあるんじゃないかなと思うのですが、直近の5回目の時のトップ1が『へんしんトンネル』でした。

人気投票でいうトップ10という意味では、「One Book One OSAKA」に選ばれたランキングがみなさんの好みを反映しているのではないかなと思います。

毎回、結果の発表は4月23日「こども読書の日」に行っています。

4月23日は「こども読書の日」なんですか?

国をあげての記念日です。

「こども読書の日」には、いろんな図書館が宣伝もかねて、さまざまな企画を行っています。

「One Book One OSAKA」は12月28日締め切りで、集計させていただいた結果の発表が4月23日です。

過去の人気のトップ10は大阪市立中央図書館One Book One OSAKAのホームページでアップしてます。

↓過去に投票で選ばれた人気絵本
http://www.oml.city.osaka.lg.jp/?page_id=891

(投票について)紙でも投票できるし、ホームページからでも投票ができるんですか?

そうなんです。

3回目までは紙の投票用紙だけだったのですが、たくさんの皆さんに投票していただきたいし、図書館になかなか来れない方のためにホームページに投票のフォームも作っています。

あと、大阪市立小学校全校には投票用紙を児童の人数分送っているんです。

学校で取り組んでくださるところもあって、ものすごい枚数が届くことがあります。

投票用紙には絵も描けるようにしてあるので、描いた子どもの気持ちがすごいびっくりするくらい伝わってくる力作が届いたりするんです。

番号を書くだけで簡単に投票できるのですが、熱心な子は絵も描いて送ってくれます。

この「One Book One OSAKA」は、サッカーチームのセレッソ大阪も協賛していて、セレッソ大阪の8月5日のキンチョウスタジアムでの試合の日には球場でも投票できるように『出張!One Book One OSAKA 投票コーナー』を設置してもらいました。

バスケットボールチームの大阪エヴェッサの11月4日の試合でも投票を受け付けました。

大人も投票していいんですか?

大人の方も大丈夫です。

ただ、年齢のところに丸をつけない方が多いのです。

年齢別の得票数も集計して出しているので、ぜひ投票する際は年齢欄に丸をつけてほしいです。

大人が投票する絵本と子どもさんが投票する絵本とでは、やっぱり違いがあって、そういう結果も面白いのです。

ちなみにこの人気絵本候補の2から24はどうやって決めたんですか?

これは、実行委員の方々と、図書館の職員が協議して、何を載せるか決めています。

昔から人気がある定番のものや、最近出た人気の絵本などを、バランスを見て相談しながら入れています。

最近の絵本では、「だるまさん」が候補に入っています。

赤ちゃんだけではなく、ちょっと大きい子でも一緒に楽しんでくれる人気の絵本です。

定番の「からすのパンやさん」とか「11ひきのねこ」なんかも候補に入れています。

昔からの定番を入れつつ、定番ばかりと思われないようにしています。

新しい作品をひとつ足したら、以前のエントリー作品をひとつ抜かないといけないので、毎回投票用紙に何を候補として入れるかは議論になります。

 

↓ 『だるまさん』。「が」、「の」、「と」の3冊シリーズ。4回目の投票用紙からずっと候補になっています。

 

図書館でよく貸出されている、人気の絵本をピックアップしている感じですか?

昔からの定番の作品が候補にエントリーされていないようにも思います。

単に人気があるというだけでは選んでいないです。

過去の投票で1位になったものは殿堂入りにして、投票の候補作品には入れていないです。

殿堂入りですか?

そうです。殿堂入りで候補作品から省いていますが、いまだに多くの人に投票されています。

大阪中央図書館として、どれを読もうかなと迷っている方におすすめの絵本はありますか?

世代をまたがって選ばれているものなんかどうでしょうか?

たとえば「ぐりとぐら」なんて本当に息の長い絵本です。

前回1位の「へんしんトンネル」は幼児だけでなく小学生でも楽しんで読んでくれています。

 

↓幼児だけでなく小学生にも大人気という「へんしんトンネル」

 

大阪市立図書館のホームページのトップ画面を見てください。

一番下のところにある「読書推進活動」の「こどもにすすめる」のページの中に、赤ちゃん向けの絵本、おすすめ絵本のリストもアップしています。

あと、子ども向けの新刊の中から、おすすめの本を選び紹介文をつけて、毎年「こどものほんだな」という冊子にまとめています。

この内容はホームページにも載せています。

絵本だけではなく、子ども向けの読みものなども紹介しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

http://www.oml.city.osaka.lg.jp/?page_id=501

一年の間にたくさんの絵本が刊行される中で、大阪市の図書館としてこんな素敵な本をおすすめしますというスタンスで毎年紹介しています。

図書館として、おすすめの絵本はホームページにアップしていますので、ぜひ見ていただきたいですね。

子どもに対しての本の読み聞かせのイベントなどもあるのですか?

あります。毎月、皆さんにお配りしている行事カレンダーもあって、ホームページにも行事予定を載せてあります。

中央図書館もいろいろやっていますし、地域の図書館もやっています。

中央図書館では1階の子どもの本コーナーの奥に「おはなしのへや」がありまして、そちらで月水金土に読み聞かせなどの行事をやっています。

↓毎週、読み聞かせイベントが開催されている 「おはなしのへや」

 

月水金土って結構回数多いですね。

そのイベントは、どなたが行っているのですか?

ボランティアや図書館職員です。中央図書館ではいろんなボランティアグループに担当いただいて、今では週に4回もできるようになりました。

イベントにはたくさんの人が来られますか?

平日はそれほどでもないですが、土日は多いです。

定期的に来られる親子の方もいたり、夏休みなどは平日でもとても多い日があったり、本当にその時次第ですね。

ボランティアの方にとっても、当日の参加者が何人来るかわからない状態ですか?

1歳2歳くらいの赤ちゃんばかりが来る日もあれば、小学校が半日で終わって小学1年2年くらいの子どもが大挙してやって来たりもするので、当日にならないとわからないですね。

小さい子だったらこの絵本にしよう、とか、大きい子だったらこの本かな、と考えながらプログラムを組んでいます。

ボランティアの方も「読み聞かせる絵本に悩みます。」と話しておられました。

すごいですね!参加者の年齢も幅広いということですね。

図書館に本を借りに来ていたら、たまたま行事をやっているのに気づいて参加ということもきっかけとしてあるので、年齢はいろいろです。

とてもうれしい反面、参加者で年齢層が大きく分かれると、結構大変になったりしますね。

年齢層限定のイベントではないんですね。

基本的には年齢制限は設けていないのですが、第2と第4水曜日は、2歳までの赤ちゃんと保護者の方対象のおたのしみ会「あかちゃんとたのしむ時間」を行っています。

この日は赤ちゃん向けの絵本や簡単なわらしべ歌など、赤ちゃんが楽しめる内容にしています。

また、第2土曜日のおはなしの会は4歳以上のお子さんを対象に昔話などのおはなし(ストーリーテリング)をしていますが、他の日は特に年齢制限をせずに何歳のお子さんでも参加いただけます。

いい読み聞かせ、おすすめの読み聞かせの方法などはありますか?

図書館での読み聞かせのように、たくさんのお子さんに対して一人が読み聞かせる時は、絵本の見せ方や声の大きさなどのおすすめの方法はあります。

家庭では1人、もしくは兄弟になりますので、特にいい読み聞かせ方というものはないですね。

親子の絵本読みは(技術ではなく)コミュニケーションですので、一緒に楽しむ時間を持つのがいい読み聞かせかなと思います。

1対多数の読み聞かせの場合、紙芝居のような感じですか?

紙芝居のような…。そうですね、イメージでいえばそうですが、絵本をどうやって見せてあげると見やすいかとか、1対1だと小さい声でも伝わるのですが、たくさんのお子さん相手だと、子どもが一生懸命見ているときに読み聞かせの声が聞こえないと面白くないとか、たくさんのお子さん相手の時はこういう絵本の持ち方がいいよ。

とか。そういうのはテクニックとしてあります。

ですが、親子での読書はそういうのは必要ないと思います。

子どもをお膝に乗せて読んだり、親子がくっついて絵本をめくりながら読んだりすることで十分なので、触れ合って楽しく読んでいただければと思います。

なるほど。

あと、おすすめの図書館利用法などあれば教えて下さい。

図書館は、利用している人はすごく利用しているけれど、そうでない人はほとんど利用していないですよね。

↓図書館の利用を呼びかけるポスター。

 

そうなんですよ!

おすすめの利用法といえば、先ほどもお話しさせていただいた、行事に参加していただきたいです。

定期的にやっているもの以外にも、夏休みなどは大きめの行事もしています。

読み聞かせだけではなく、工作教室などいろいろな行事をやっているので親子で参加して図書館に行くきっかけにしていただければと思います。

 

↓本の書評を漫才で行うという斬新なイベントを発見。大阪だからできる企画?

 

毎月、そういうイベントをやっているんですか?

月水金土の定期的な読み聞かせ以外だとなかなか毎月はやっていませんが、4月の「こども読書の日」に合わせて、春に大規模な読み聞かせのおたのしみ会をしたり、夏休みは大きな休みなので、工作教室などの行事をたくさんしています。

秋は「読書週間」に合わせて10月から11月頃に大阪市立図書館全体で『図書館フェスティバル』という大きなイベントを毎年行っています。

図書館によく来られている方はチラシや掲示板などで情報収集していただけるんですが、図書館に来られていない方は、ホームぺージやツイッター、フェイスブックなどで情報を収集してみてください。

↓大阪市立図書館ツイッター

 

ツイッターやってるんですか??

はい!!ツイッターとフェイスブックとメールマガジンをしていますので、ぜひ登録お願いします。

ツイッターは「来週はこれをやりますよー!」とつぶやいたり、メルマガは月に1回なんですが、読書に関する記事で発信しています。

すごいですね!

ありがとうございます。

ちょっと宣伝になれば(笑)。

図書館に来られている方には何かと知っていただける機会があるんですが、来られない方はぜひ図書館のツイッターなどを登録していただけたらと思います。

この天才児研究所のサイトの読者は、主に子育て中のお母さんなのですが、図書館からお母さんにメッセージがあればお願いします。

大阪市立中央図書館は、1階は授乳スペースもありますし、おむつ替えのベットもあります。

子ども専用のトイレもあります。屋内ですし、赤ちゃんとのお出かけ先として図書館は気軽に安心して来ることができる場所ではないかと思います。

また大人向けに育児の本や教育の本なども充実していますし、お母さんの体や気分をリフレッシュできる本もありますので、親子で楽しんでいただける空間になっています。

↓この先が授乳室。女性以外は立ち入り禁止!!


↓トイレの近くに、赤ちゃんの「おむつ交換」スペース発見。広い!!

 

なるほど。

キッズスペースなどもあるんですか?

残念ながら遊ぶスペースはないです。

図書館なので、静かに本を読む場所ですので・・・図書館の横に公園がありますので、元気に遊びたいときは公園で遊べますよ。

たしかに静かに本を読む場所ですもんね。

公共空間なんで、子どもに公共のマナーを学んでもらう場所にしていただけたらうれしいですね。

 

↓前から読みたかった本を見つけてしまい、取材であることを忘れて、個人的に借りようとする所長


↓全国的に見ても、自治体が運営している図書館の中では最大級の施設規模を誇る大阪市立中央図書館。大きい・・・

普段何気なく、たくさんの本が置いてあって市民に本を貸してくれる場所。

としか思っていなかった図書館ですが、取材を通じて、図書館の奥深さの一端を知りました。

これを読んで家の近くの図書館にあらためて行ってみたい。

とみなさんに感じて頂けたらうれしい限りです。

取材に協力していただいた大阪市立中央図書館の皆様、ありがとうございました!!