子どもの食生活を見直そう

本当に必要なものは子どものほうが知っている?

子どもが好む食べ物の特徴は、カロリー(熱量)のあるもの、そして「でんぷん」です。

それは、子どもの食べる目標がカロリーを摂(と)ることだからです。

子どもが野菜を食べないのは、カロリーが低いことを知っているからです。

野菜の中でセロリやピーマン、ネギを食べたがらない子どもでも、カロリーがあり、でんぷんが多く含まれているジャガイモやサツマイモやカボチャ、豆などの根菜(こんさい)類・果菜(かさい)類の野菜は好んで食べているはずです。

ですから、子どもがピーマンを食べたがらないのは、偏食しているからではなく、まだ体が必要としていないからです。

子どもに大人と同じものを強制的に食べさせる必要はありません。

大きくなれば自然に食べるようになります。

子どもの好きなカロリーは炭水化物、タンパク質、脂肪の3種類からとることができます。

ただ、カロリーが必要といっても、お菓子やジュースなどでばかり取ってしまうのは栄養が偏って危険です。

親が子どもに対して、ごはんやでんぷんなどから摂ることをしっかり教えてあげなければいけません。

子どもの嫌いなメニュー
サラダ類
野菜炒め
ナス料理(焼きナスなど)
酢の物
焼き魚
漬物
煮魚、サバミソ煮
みそ汁
煮物
酢豚

子どもの嫌いな食品
ピーマン
ナス
ニンジン
レバー類
セロリ
しいたけ
グリンピース
ねぎ

「ダメ」から始まる食生活を見直そう

「野菜を食べなさい!」

野菜を食べることは非常によいことですが、残したからといって叱るようなことではありません。子どもは野菜が嫌いなわけではなく、まだ必要ないから食べないだけです。

無理をして食べさせなくても、大人になれば食べられるようになるものです。

「残さないで食べなさい!」

子どもは自分の適量を知っていますから、お腹がいっぱいになればあと一口でも残します。

その日によって運動量も違うのですから、食欲もその日によって違って当然です。

「よく噛みなさい!」
ごはんを中心とした食生活をしていれば、子どもなりにきちんと噛んでいるはずです。

おにぎりを噛まずに食べることはできません。

親が叱ることで子どもが緊張し、唾液があまり出なくなってしまいます。

唾液にはいろいろな殺菌作用があり、しかも食べ物をなめらかに飲み込ませるという働きもしています。

おいしそうなものを見ると「よだれが出る」といいますが、叱られたり、緊張したりすると唾液の量が減り、出なくなり、口の中が渇きます。そんな状態では食べ物をスムーズに飲み込めなくて当然です。

こちらのほうがよほど深刻な問題ではないでしょうか?

冒頭にもあげた「健康」というのは、心の健康も含まれています。

親に叱られてばかりいて楽しい子どもはいないですよね。

昔から言い伝えられてきたことには、案外理にかなったことが多くありました。

例えば、「野菜は残してもいいから、ごはんを全部食べなさい。」などは、子どもはカロリーがあって、でんぷんが多く含まれているごはんが大好きですから言われた通りペロリと平らげていたのです。

食材自体が今のようにそんなに多くなかったので、根本的に偏食が問題になったり、好き嫌いが多いなどと言われたりすることなく、子ども達は成長していきました。

ところが、世の中が豊かになり、食材の選択肢も爆発的に増え、栄養学的なものも行き渡ってきますと、元素記号的な栄養素成分が重視され、いかにも科学的な雰囲気で「ごはんは残してもいいから、おかずを全部食べなさい」とすすめ、野菜でも肉でもバランス良く、好き嫌いなく食べることを「よし」とする理論的な風潮が出てきました。

しかし、バランスっていったいどういうことなのでしょうか?

だいたい、今の日本にいる日本人のように世界中の食材が容易に手に入り、何でも食べる民族など、世界中探しても見つからないでしょう。

普通、どの国の人も、どの民族も、それぞれの地域風土に適した、その地域から調達できる食べ物しか食べていないのです。

逆に言えば普通は、収穫することができない自分たちの風土に適さない食べ物は、食べることはできません。

例えば、アメリカの子どもが納豆やみそ汁、刺身を食べなくても「偏食している」と叱られることはありません。

もともとアメリカの食文化にないメニューだからです。

ところが日本の子どもは、牛乳やチーズを食べないと、「ちゃんと食べなさい。好き嫌いをしてはいけません。」と叱られます。

今の日本の子どもたちは、外国料理を食べないことで叱られることになっています。

日本人には日本人にあった食生活を

それぞれの地域に生きる人間は、それぞれの風土や環境の中で工夫し、生きていくための知恵をあみ出して、結果的に現在の食生活を確立しています。

私たち日本人も、日本という国も風土にあった食物を食べるべきであり、それが本当の意味でのバランスだと思います。

人間の体を『石炭ストーブ』に例えると、燃料は石炭ですから、石炭を燃やしてエネルギーを出すのに適しています。

パワーがあるからといって石炭ストーブに石油やガスを入れると、不完全燃焼を起こしたり、故障してしまいます。

子どもの体もこれと同じで、もともと日本で収穫可能な、穀物、いも類、野菜、豆類、魚介類を中心とした食事で栄養を取り込むのが適した体質でできているのに、今は外国産の輸入小麦粉、砂糖、油、肉、乳製品などを安価に購入できるので、日々の食事で大量に取込むことができる状態になっています。

その結果、カロリー過多で体が不完全燃焼を起こしてしまい、その不完全燃焼が子ども達のアトピーやぜんそくなどを引き起こしてしまう割合を大きくしているのです。

天才LABOからのメッセージ

子どもの体格や身長は、昔と今とは比べ物にならないほど今の子どもたちの方が大きいです。

しかし、食材が何でも安価に容易に手に入るため、子どもの日々の食事を意識的に体質に合った形にコントロールしないと、アトピー性皮膚炎や気管支ぜんそくをはじめ、昔は成人病といわれた肥満などの『生活習慣病』にかかる率が圧倒的に高くなっていきます。

栄養失調という言葉があります。

昔の栄養失調は、根本的食糧難のカロリー不足で引き起こされていましたが、今の栄養失調は「カロリー過多」で引き起こされていっています。カロリーは十分足りているのに、タンパク質やビタミン、ミネラルがなぜか不足になっている状態。

この状態が続いて病気が引き起こされる。

これはまさに、『現代型栄養失調』と呼ぶことができると思います。

日本人には、昔ながらのシンプルな和食が体質に合っていることを頭において、一度、日々の献立を見直してみればどうでしょうか?

おすすめ絵本

おいしいおと(福音館書店)

 

 

 

 

にんじん ごぼう だいこん(学研プラス)

 

 

 

 

 

ノンタン もぐもぐもぐ(偕成社)